大友 秀信 第5期卒
空手と私
5期 元日本通運 大友秀信
中学では2年間柔道をやったが、進学勉強のためやめろと言われ、中断した。
高校で2年間サッカーをやったが、目を悪くして中断した。自分自身の中で、いつも不完全燃焼の感があった。
大学に行ったら、何としても4年間運動を続けなければ、自分の人生は中途半端のままだと思い込んだ。高校4年(浪人)の時に空手に興味を持った。「身に寸鉄を帯びず相手を倒す。」「徒手空拳」にあこがれた。迷わず和空会に入部したから、辞めようなどと考えたこともなかったし、厳しいけいこにも耐えられた。授業の空いてる時間は大教室の一番後ろのイスに寝て、稽古のために体力を温存した。また、幸いに仕送りしてもらっており、バイトをしなくてもなんとかなった。だから、女の子と付き合うなどと考えもしなかった。俺の四年間はそんな毎日だった。
就職すると、多くの人は仕事にかこつけて体を動かさなくなる。結婚すればなおさらのことだ。そして太り、腹が出て筋肉が衰える。中高年になり太ったオヤジが「昔、柔道やって4段だ。」「学生時代、ラクビーやっていた。」等々の話を聞くにつけ、俺はいつもこう思う。「過去を引きずってなんになる。大事なのは、今、そしてこれからだ。」と。
人は皆「快」を求める。しかし、「快」は楽して得ることはできない。「苦」を乗り越えた先にこそ「快」があると信じる、だから、俺は日々トレーニングに励む。拳立て、腹筋、背筋、ランニング、懸垂、四股踏み、・・・いろんな機会をとらえ鍛える。汗を流せばストレスも流れる。
仮想の相手を一本の逆突きで倒す。まさに空手の醍醐味「空手一生の事」である。
2014年12月